これも、昔の話。
代々木公園のインドフェスで、サリーを着つけてもらった。
サーモンピンクで、キラキラとたくさんの刺繍がほどこされた、
美しい衣装を纏うのは恥ずかし嬉し。
写真も撮って浮かれた。
賑わいの半ばは、インドの方々。
白い絹のパンジャビスーツの美少女が、風切って歩いてくる後ろから、
少し年上のダークスーツが2人、守るようにいるのは、インドのお嬢様だろうか?
なんて、雑踏ウオッチングしていると、
貫禄のある美しいインドの御婦人が歩いてくる。
良いところの令夫人。
歩いてゆくにつれ、揺れるサリーのすそが美しい。
初めて着ても、着付けが上手で、立ってるだけならなんとかなる。
動くとなると、残念なのがばれてしまう。
ピーター・ブルックという演出家は、いろんな国の俳優を取り混ぜて、
よく知られた劇をする。
「カルメン」「桜の園」「マーハバラータ」
いろんな国の俳優が一緒に出てるけれど、
鍵になる役は、その物語が生まれた国の人、というやり方をする。
その土地で生まれ育った人がやると、急に物語が土着的な匂いを放つのだ。
「マーハバラータ」では、妃の役をインドの女優がやった。
悪意に追い詰められて、怒り嘆き叫ぶ、
誇り高い美しい怒り。
これは初めて見た、と思った。
それぞれの土地に、地理条件と歴史と文化がつくった、
人物の型があるように思う。
「美人」とか「英雄」とか。
今の日本でその型が辛うじて残っているのは、
生身では歌舞伎の舞台の上かな?とおもう。
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