結婚するとき、 つれあいの故郷にいってふたつめの披露宴をした。 宴もたけなわになって、 ご近所さんが木遣で祝ってくださろうとすると、 みなさんがわらわらと立ち上がり、列をなして、 揃って何かを引く手つき、そして合いの手が掛かる。 木遣りの良い声と、酔いのまわったザワザワ感と、 ばらばらのようで要所で揃った振りと‥‥ 格別に素敵だった。 あれって、お祭りの山車を引くときの様子。 と、後でつれあいから聞いた。 木遣りの音頭で、船の形の山車をみんなで引いて、町を廻る 漁が盛んな頃、道が人手で溢れかえっていた、 その頃から一緒に過ごした時間のいろんなものがのっている。 ずっと、一緒にやってきたことだから、 言わなくても、でてきて、 並んで、山車を引く。 それが当たり前。 ほんと、素敵だった。